葬儀に参列すると参列者は祭壇中央に据えられた故人の遺影と仮位牌に手を合わせて偲びます。仮位牌といえども既に亡くなった人の魂が宿っていると信じられているからです。火葬場で遺骨を受け取って葬儀が終わると四十九日法要前に本位牌を入手して仏壇に遺骨と共に祀って供養することが残された遺族の務めです。
ところが近年、少子化の影響が出てきて身寄りが少なくなり、自分の代で先祖からのお墓を守る人がおらず、墓じまいをしなければならない人が増えてきました。このような境遇になると墓じまいと同時に先祖から続く仏壇の面倒をみる人もいなくなるわけですから仏壇も処分しなければならないわけです。
しかしながら、先祖代々の人たちの魂の宿っている多くの位牌と共に仏壇を処分するにはその前に先祖の閉眼供養を怠るわけにはいきません。自分の代で墓じまいする立場とはいえ、先祖の魂の宿ったまま処分することは避けたいわけです。
菩提寺があれば頼めますが、なければ仏具店でも応じてくれるようです。仏具店では仏壇だけでなく、遺影など先祖にまつわるものもまとめて処分してくれるので身寄りの少ない人には大助かりでしょう。こうして、自分の代で終える人は墓じまいの他に仏壇などの処分をし、自分の亡くなった後の遺骨の埋葬方法まで葬儀業者などに依頼してこの世から来世に向かう準備を生前のうちに整えるわけです。